2016年5月26日木曜日

祝!論文発表!

世界初,砂に潜る小さなイシサンゴの発見
-海洋生物学における新たな知見-

Scientific Reportsで我々の論文が発表されました!

Asuka Sentoku, Yuki Tokuda, Yoichi Ezaki
図1

公立鳥取環境大学環境学部の徳田悠希講師は,
千徳明日香博士(京都大学瀬戸臨海実験所),
江﨑洋一教授(大阪市立大学大学院)との共同研究で,
日本近海の海底の砂中に自ら潜り生活する,
移動するイシサンゴ(タマサンゴ)を発見しました(図1).
従来,イシサンゴ類でこのような生活様式は知られておらず,
世界で初めての発見です.
さらに,このような砂中に潜って生活するサンゴは,
約8000万年前の後期白亜紀に
すでに地球上に登場していたことも明らかとなりました.

さらに.....!
Scientific ReportsのFace book公式ページで紹介されました!

シンメトリーできれいな骨格です.
とても小さく5mm~10㎜程度の大きさです
これらのサンゴは,調査船で
ドレッジ調査,ソリネット調査を行うことで得られます

サンプルを得るために
ヤンチナ,豊潮丸,新青丸,弥生など数多くの船に乗りました.
船の中で殆ど寝ずにソーティングしたこともありました.
その際は多くの乗船メンバーに助けられました.
時には深海2000mもの深さをドレッジします
高圧で縮むか試しましたが,このタイプのカップは
小さくなりませんでした(笑

時には桜島が間近で噴火した調査航海もありました(汗
豊潮丸で一緒に頑張った学生さんたちや先生,船員さんにも
大変お世話になりました.

得られたサンプルは
長期飼育のために飼育員さんに水槽を作ってもらいました
低温のかけ流し水槽です.実に贅沢です.

そんなこんなで多くの方に助けられ,

本論文は
私と徳田さん,恩師の江﨑先生の初めての共著論文です
いつも一緒に頑張ってきたメンバーとの共著論文は
とてもうれしかったです.

サンプリングに関しては多くの東大,京大,広島大学の先生方,
臨海実験所の方や乗船メンバーにお世話になりました.

さらに,京大瀬戸臨海の宮崎先生に切片作成法を伝授していただき,
白浜水族館の飼育員さんたちの協力によって
生体の長期飼育が可能となりました.

それらを用いたおかげで,
論文の信憑性や軸が確立されたと実感しております.

本論文は自身の研究テーマである形態学や古生物学,行動生態学を
つなぐ代表的な論文になると確信しております.

関係した多くの方にお礼申し上げます.


Acknowledgements
We are grateful to two anonymous reviewers for their useful comments on the manuscript. We are gratefulto K. Miyazaki for his help/assistance in histological works. We are most grateful to the captains and crew members of the R/V Janthina of the Kyoto University, R/V Shinsei-maru of the JAMSTEC, T/S Rinkai-maru of the University of Tokyo and the T/S Toyoshio-maru of the Hiroshima University for their generous help in collecting specimens. We thank K. Endo, T. Sasaki, M. Hirose, H. Kohtsuka, M. Okanishi, K. Shimizu and S. Ohtsuka for providing us with specimens. We specially thank H. Haraguchi, N. Mihara, T. Wada, T. Kato, K. Harada, H. Yamauchi, R. Nakayama, T. Nakamachi and Y. Adachi for their advice and help in maintenance of the corals. We acknowledge Tottori Prefectural Farming Fisheries Center for providing us with salty groundwater.
This study was supported by grants from the Scientific Research Fund of the Japan Society for the Promotion of Science (21340154, 22654062, 15H03744) and by Grant-in-Aid for JSPS Fellows (25–866).