2016年8月24日水曜日

学振備忘録1_申請に関して

珍しくまじめかつ長文です.

学振を目指す若い人たちが見ることを想定して書いていますので関係のない人は読み飛ばしてください.

要点をまとめると

1,研究室選びがかなり重要!良き指導者に巡り合うべし!
相性も重要です.4回生やマスターコースでいまいちと思う人はささっと移動すべきです

2,学振や助成金,科研費書類は業績がなくても毎年書くこと!

愚問ですが,前提として,
研究が好きでまじめにコツコツ研究を進めるという当たり前の条件があります.
これがかなり重要です.自分が楽しくないと続きません.


私はドクター過程の間の学振(いわゆる学振DCというやつ)は通りませんでした.
チャンスはDC1はM2の5月,DC2はD1,D2の5月くらいの計3回.

これは自分でも納得しており,要するに論文がなかったから通らなかったと思っています.D3の時に論文を4本発表し,その後は順調に論文が増えていきました.
その結果,学振PDと海外学振は両方とも面接免除のストレートで通り,さらに海外学振の採用年度には科研費若手Bも採択されていました.

たまに業績(論文)がないから,学振は出さないっていう学生がいます.しかしそれは間違いです.学振の書類作成はとても仕事量が多くて,時間もかかるし,とにかく大変だったという記憶があります.
これが簡単だったという人は,通らなかった人に限りですが,努力が足りなかったというしかないと思います.私は添削をしてもらって何度も何度もダメ出しされて書き直してのくりかえしでした.書類のダメ出しをされていると途中から心が折れてきて,自分がダメな人間なんだと落ち込むことさえありました.

しかし,最終的にできた書類はとても洗練されており,今まで不明瞭だった,自分の研究計画や意義,位置づけがとてもはっきりしました.今自分がやっている研究がとても大切なことで意味があるのだと思えるようになりました.つまり自分の研究を見直すいい機会になっていました.丁寧に見てくれた先生方にも感謝です.

また,研究者を目指すなら今後,このような書類を書くのが研究者の仕事と言ってもいいほど増えてくるので,書類書きになれるためにも必要不可欠な過程だと思います.

学振DC採用者と不採用者のお金事情

私は学振DCは不採用でしたが,
金銭的なことをいえば,結果的にですが,私は奨学金が全額返済免除,学費もドクター3年間全額免除などの,とても恵まれた環境となったので,あまりお金には困らなかったです.
(大学院生時代は近所で週一回,家庭教師と弁護士事務所の事務をしていて,
どちらも時給2000円以上で助かりました.さらに弁護士事務所は基本的にヒマで論文読み放題の書き放題でした.笑)

私の大学では学振採用者の学費の免除はされません.採用者は税金,健康保険,授業料の支払い,研究専念義務(自由にバイトが出来ない)を考えるともしかすると学振採用者より,不採用者の方がリッチかもしれません.ということでDCが通らないからって落ち込む必要はありません.

学振DCの研究費に関しては羨ましいと思います.しかし,当時の指導教員の江﨑先生は本当に好きに研究させてくれて,研究に必要なものは買ってくれたし,論文印刷時の高額なカラー図代も気前よく支払ってくれて,研究費で困ったことはありませんでした.私が少し大人になって,このことが本当に恵まれていたことだったと思い返すようになりました.感謝しています.つまり,研究室選び,指導教員選びはとても重要だと思います.


繰り返しになりますが

1,研究室選びがかなり重要!良き指導者に巡り合うべし!
相性も重要です.4回生やマスターコースでいまいちと思う人はささっと移動すべきです

2,学振や助成金,科研費書類は業績がなくても毎年書くこと!

先日海外学振の結果が出て,そろそろ国内学振の結果ですかね.
ドキドキした日々を思い出します.