2016年2月16日火曜日

祝!論文賞!

我々の論文が決定しました!

Morphological variability in azooxanthellate scleractinian dendrophylliids governed by regular modes of asexual reproduction: A computer simulation approach. vol.19, no. 3, p. 195–203.
Rie Ohno, Asuka Sentoku, Shinji Masumoto and Yoichi Ezaki

後輩の大野さんの国際論文です
素晴らしい!
大野さんとはちょくちょくあっているのですが
2ショット写真はほとんどなくこの写真は2013年の私の学位授与時のものです(笑


表彰式は次回2016年6月の日本古生物学会総会です.


この論文の大まかな内容はSentoku & Ezaki (2012a-b) のキサンゴの成長規則性をもとにしたコンピューターシュミレーション解析です.

以下http://www.palaeo-soc-japan.jp/PR-abstract.htmlより引用

規則的な無性生殖の支配下で生じる非造礁性キサンゴ科サンゴの形態の多様性:コンピューターシミュレーションによるアプローチ

大野理恵・千徳明日香・升本眞二・江﨑洋一


サンゴは世界中の幅広い水域で,さまざまな成長形態や生活様式を示しながら繁栄している.また,サンゴは,カンブリア紀以降,顕生累代を通じて化石記録が残されている.そのため,サンゴの成長形態,生息環境,そして生活様式の関係を解明できれば,サンゴ化石を用い,幅広い範囲の年代の古環境や,古生態の復元が可能になる.群体サンゴの形成過程については,「周囲の環境(外的要因)に影響されサンゴ自体がどのように形を変化させるのか」という観点からの研究が主流である.その一方で,サンゴ自体に固有な成長様式(内的要因)に基づいた研究はほとんど行われていない.外的要因に対する応答のみでサンゴの群体形態を説明することはできない.同じ環境で生息するサンゴでも,種が違えば異なる成長形態をとる.環境に即して形態を変える能力も,種による違いがある.近年,多様な群体形態が形成されるキサンゴ科の群体サンゴには,「無性増殖(出芽)の規則性」が存在することが解明された.サンゴの群体形態をより深く理解するためには,群体形態と周囲の環境との関係のみならず,特有の出芽様式と群体形成様式,そして,群体形態が示す生態学的・物理学的な特性を詳細に調べることが必要である.この目的のために,キサンゴ科の出芽規則に基づいて,キサンゴ科群体サンゴの成長を再現し,群体モデルを出力するソフトウェア『Coral Simulator』を開発した.Coral Simulatorによるシミュレーションは,サンゴのモデルに「成長」と「出芽」を繰り返させ,群体の形成過程を再現する.シミュレーションでは環境要因は一切考慮せず,サンゴ自体が有する成長様式のみを考慮する.「出芽傾斜」,「出芽方向」「出芽間隔」,の主に3つのパラメータを変化させることで,多様な成長形態を得ることができた.Coral Simulatorでは,群体の体積や個体数などが時間の進行とともにどのように変化するのかを算出することが可能である.自然界には実在しない,あるいは稀な成長形態の再現も可能である.このような形態にはどのような特徴があるかを調べることで,サンゴの形態を制約する要因を推定することも可能である.パラメータのうち,「出芽傾斜」は群体の形状に影響し,出芽傾斜が小さいと群体はドーム状になり,出芽傾斜が大きいと樹状になる.また,出芽傾斜が小さいと親個体の出芽が娘個体によって妨げられ,群体の個体数は少なく,体積は小さくなる.「出芽間隔」が小さくなると,体積は大きく,個体数は増加する.ただし,個体数が増加することで,他個体との衝突が増し,成長を止める個体が増加する.「出芽方向」は取りうる範囲が狭く,わずかな変化では群体形態はほとんど変化しないため,キサンゴ科の群体形態の多様性に対する寄与は小さいことがわかった.実際に存在するキサンゴ科の非造礁性サンゴの群体形態も再現できた.具体的には,浅海域に生息し,個体が密集し塊状形態をとるTubastraea coccineaと,生息深度がやや深く,個体がまばらに配置し,樹状形態をとるDendrophyllia arbusculaである.両者は異なる成長形態と生活様式を示すが,キサンゴ科に特有な「出芽の規則性」のもと,出芽傾斜と出芽間隔を変えることで,それぞれの群体形態を再現することができた.このことは,特定の出芽の規則性による制約があっても,それぞれの環境条件に即応した群体形態が構築可能であることを示している.

実にめでたいです!
大野さん,この調子で一緒に頑張りましょう♪


2016年2月15日月曜日

久々の更新

2016年はあまり更新できていません(´-ω-`)

学振PDも終わるし
もうブログをやめようかなぁとも
思ったんですが・・・
見てくれている方も居るようなので
ちょくちょく更新します!
ありがとうございます

(あまり更新がないと死んでいるのではと心配してくださりw
嬉しい限りです(笑))
とりあえずは時間を見つけて
先日終わった古生物学会のシンポジウムのことや
知り合いの研究者が白浜に来てくれたことなど
楽しかったことを忘れないように
随時更新していきます!

とりあえず研究面では
日本古生物学会の100号特別号用の
論文を書き上げなければ・・・
締切は3月末なので頑張ります!