2017年7月7日金曜日

祝!論文発表!

我々の論文が発表されました

Modes of regeneration and adaptation to soft-bottom substrates of the free-living solitary scleractinian Deltocyathoides orientalis

Asuka Sentoku, Yuki Tokuda, Yoichi Ezaki, Gregory E. Webb

本論文は
沖合の軟底質上に暮らす自由生活性単体サンゴの
生存戦略や対捕食者戦略に関しての論文です

ざっくり要約すると

タマサンゴという潜って暮らすサンゴを
水槽で飼育していたら,
同じ水槽にいたヤドカリに襲われ,
バラバラになってしまいました
その断片個体を大事に2年間飼育したところ,
元の個体の約60%と10%となったかけらから
新たな個体がそれぞれ再生しました

このようなタマサンゴの
再生様式を1000個以上の骨格観察の結果と
合わせて議論しています
議論では骨格修復様式を絶滅種で
ある四放サンゴなどとも比較しています

タマサンゴの修復では潜るための機能形態である
コステや軟体部をそのまま再利用しており
断片化した状態でも潜行を行います

このような再生様式は,
軟底質中への潜行行動の早期再開や,
軟底質上での安定的な生活姿勢を維持するために重要です

以上のことから,
軟底質上で生息するタマサンゴの
高い修復能力や行動様式は,
捕食圧の高い沖合砂泥底の環境に
適応した結果と考えています

この内容を含んだ発表を
9月の動物学会のシンポジウムで発表します
興味のある方はぜひお越しください。

2017年9月22日(富山県)日本動物学会シンポジウム
「(数ミリ以下の動物学Ⅵ)小さな動物たちの多様な生き様」
砂の上で暮らす小さなタマサンゴの生存戦略.千徳明日香.

本論文は私がUQのボスのグレッグと
初めて一緒に書いた論文になります

単身での海外生活は抵抗がありましたが
ボスと幾度ものデスカッションを繰り返し,
ネイティブかつ同じ分野の偉大な先生の元に
修行にきて本当に良かったと実感しています

しかも数分前に届いた原稿を早速印刷して
嬉しそうに自分の部屋の扉に貼ってくれました
いい人~!幸せです!

現在ボスとの次の論文も用意しており
いい結果を出せるようにさらに頑張ります!
プルーフ時に希望した小修正が反映されておらず
まだ原稿に納得できていないので
修正版ができたらお世話になった方たちに
お送りしたいと思います

ご協力頂いた方々に心よりお礼申し上げます